地球-アース-




「っっ!!!」

カーテンがオレンジ色に染まっている。
いつの間にか、朝はきてた。

「…っ…ハァ…ハァ…」

私の息はあがっていた。
いつものこと。
私は、毎朝こうやって跳び起き、汗で張り付いてる前髪をかきあげながら、ゆっくりとベッドからおりる。
…私は、ちゃんと私であると実感しながら…。

また見てしまった。あの夢…ううん、あの過去を。
私が私じゃない時の、あの過去を。
見てるときは幸せなの。
でも、起きたときのこの悲しみは何?
……朝が怖い……。

私、静は妹の霞と一緒に産まれた。
顔は違うけど、ちゃんとした双子だ。
隣りに住んでいる敬くんは、私達の幼馴染でもあり。
…霞の、彼氏でもある。

「お姉ちゃん!早くしないと遅刻するよ!」

家の外で、霞の声がする。
私は急いで靴をはき、外へ飛び出す。

「ごめんごめん、お待たせ!」

外では霞と敬くんが仲良くたっていた。
いつもの光景だ。

「おはよ、静。相変わらずお寝坊さんだな?」

「もう…子供扱いするのは霞だけにして」

「ああっ!ひどい、お姉ちゃん!あたし、子ども扱いなんてされてないもんッ!」

ははは…と笑い声がたつ。
同じような毎日。
同じような会話。
だけど、心は日に日に重くなってゆく。

初めに、あの夢を見たのはいつだっただろう。
最初の頃は、ただの夢だと思ってた。
何度同じ夢を見ても。自分には関係ないだろう…って。
でも、ある日、私は夢の中と自分との共通点を見つけてしまう。




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